
ミハエルは何を思う。
ちょうど、いろんな事を書こうと思っていた。
いろいろ。
モロモロ。
それはもちろん、ジャックやモントーヤといったスピードが身の上の
CART出身ドライバーの現在のF1における不調の原因とか、
事故がつきまとうラルフの事。
もしくは、
エンツェオに
「私は彼が好きだった」
と言わせた唯一の男
ジャックのお父さんのジルについてや、
その親子に絡めて(父の日でしたしね)
オアシスや若貴兄弟のこと。
もちろん、ラルフとシューの兄弟関連との比較についてなど
(理想の兄弟はオアシスだ。若貴も殴り合え!
いっそのこと、K1かプライドか
プロレスでもいいから、復帰して戦え!みたいな。)
ただ、今回のレースをみて
そう、あの大ブーイングをみて・・・
バリチェロのペットボトルへの乗りあげをみて・・・
書くべきはバーニーのことと思った。
バーニーと
今ルノー、ホンダ、ベンツ、トヨタ、BMW
といった大きな自動車メーカーを中心にしたグループはずっと
対立中だ。
この自動車グループは2008年から、新しいGPを開きたいと考えている。
F1から離れて、新しいグランプリを開催したいと考えている。
もちろん、F1の代名詞であるフェラーリなども一時グループに入って
いたが、現在は違う。
F1に残るほうが利益が大きいと踏んでいるため、現在はF1サイドと
大手自動車グループとの間にいるといったところだろう。
F1側の代表はいわずとしれた「バーニー・エクレストン」だ。
さて、彼はどんな人物か?
イギリス人で、それこそ結構苦労をしていて11歳ぐらいから新聞配達から
牛乳配達、絵に描いたような「商人」トレーニングを経て、バイクの販売を
きっかけにレースの世界に入った。
実際にレーサーだったことに注目したい。
ちゃんとモナコにも出ている。(成績は最悪)
その後、自然の流れでチーム運営に。
ブラバムというチーム、ネルソン・ピケがチャンピオンになったチームだ。
ブラジルからの天才、ピケをチームに呼び込んだはバーニーその人だし、
パルマラートという食品系メーカーのスポンサーをチームにつけ
それを高騰するドライバーのギャラにあてるというシステムを考えたのも彼だ。

※早そうなデザインです。一般車に使えそうなモチーフ。
いわゆる革新的な経済的改革を実施。マーケティングの方面でも手腕を発揮。
チームオーナーだった頃、同じようにルールとF1における組織の対立があり
今回のようなボイコットをしたこともあった。
こういった対立、
これはF1グランプリに限らず、集客力のあるプロのモータースポーツには、
グリッドに並んだ時点で権利が発生することから多く発生している。
(今回グランプリの行われたアメリカでもCARTとIRLはもともとひとつだった。
その後のアメリカの最高峰モータースポーツの混乱はひどいもんだった。)
F1でも
1970年までは参加チームが個別に主催者側や各国のテレビ局と
スターティングマネーの交渉を行ってきた歴史がある。
当時は額面もチームそれぞれに違っていたというし、
年が変わると金額が上下することも珍しくなかったという。
そんな煩雑かつ非効率的な交渉を1971年から各チームの代わりに代表して行う団体が誕生。
それがFOCAと呼ばれるF1コンストラクターズ協会だった。
イギリス系のコンストラクターを中心として構成されたFOCAの代表は、
当時ブラバムのチームオーナーだったバーニー・エクレストンと、
マーチの代表者だった
マックス・モズレー。
ご存知とおり、今のF1のトップマネージャーたちだ。
もともと反体制と呼ばれるところにいたというところが、注目だ。
(反体制が体制になる、ミイラ取りがミイラになる。
そんなことがF1でも起こってきた。)
一方、競技の統治団体であったFISA(現FIA)側にはフェラーリを筆頭とした
ヨーロッパの自動車メーカー系チームが加担した。
やがてFISAとFOCAは激しく対立し、
F1グランプリは度々ボイコット騒ぎなどを起こして混沌とした。
そんな争いに終止符が打たれたのが1981年のこと。
FISA側とFOCA側が2007年までのF1運営方法を協議して文書に調印した。
このとき交わされた調印書がコンコルド協定と呼ばれるものである。
時代は流れて、FIA会長には選挙で元 FOCAのマックス・モズレーが選ばれていた。
そしてバーニー・エクレストンはF1の商業権利を一手にする。
1993年にFIAのモズレーが100年分のF1コマーシャル権をバーニーに売却したからだ。
これを機にF1グランプリの全収入の70%以上がバーニー・エクレストンと
そのグループ企業の懐に入るようになったといわれている。
また、バーニー・エクレストンは2000年に
ドイツのメディア企業にF1コマーシャル権の75%を売却するが、
そのメディア企業が直後に倒産し(キルヒ)
結果的にバイエリッシュ・ランデスバンク、JPモルガン、
リーマン・
ブラザースの3社の信託
銀行がF1コマーシャル権
(これとてF1権利の一部)の75%の権利を有した。
すべてロスチャイルド系銀行だ。
(F1ファンはこういった金融の背景にも注目していくと流れが見えやすい。
リーマンだけは某メディア闘争で知られる方も増えましたが。)
2001年、チーム側の不満がついに爆発した。
F1の未来に危機感を募らせた自動車メーカー系の
F1チームが一致団結してグランプリ・ワールド・チャンピオンシップ
GPWCを立ち上げた。
GPWCに加盟したメーカーは、以下の5社。
フェラーリ(フィアット)、当時のベネトン(ルノー)、
ウィリアムズ(BMW)、
マクラーレン(メルセデスベンツ)、当時のジャガー(フォード)は、
共同声明として、2007年にコンコルド協定の効力が切れるのを機に、
2008年からF1のライバルシリーズを立ち上げると発表したのだ。
先ほど書いたとおり、その後フェラーリは寝返った。
充分な利益をバーニーから供与すると約束されたからであろうし
バーニーはバーニーでF1はフェラーリがなければね!というところだろう。
今回のグランプリに対して事前に発言を強くしていたのは以前も書いた
ブリアトーレだ。その姿勢は若い頃のエクレストンのスタンスにも近い。
今まさにGPWCにおいてブリアトーレは中枢に行こうとしているのではないかと察する。
「われわれは現在のこのシチュエーションにおいて、完全にミシュランをサポートする。
彼らはこの状況を最も良い方法で解決しようとしている。
彼らは明日のレースのためにバルセロナでスペインGPのために使われたタイヤを
空輸しているんだ。
もしこれの使用が認められないというのであれば、
われわれは明日のレースには出場しないだろう。
われわれにとっての最優先ははっきりしている。
それはドライバーの安全なのだから」
バーニーの次はロンでなく、
フランクでもなく
このブリちゃんだろう。
アロンソはそういう意味でもよい位置にいる。
さて
これからの残りのグランプリ、F1ファンが純粋に楽しめるそんな
バトルを期待したいが、
ビジネスである以上、また大きな産業が背景の
F1である以上、理解を超えたビジネス上のバトルが行われる可能性がある。
やるべきは、すでにこのサイトにもかいた
タイヤに関するルールをひざを突き合わせて解決しなければならない。
エンジンは今のままでいいと思う。だからタイヤ、タイヤなんです。
タイヤ交換を総合点数から引くぐらいのペナルティーにしてやればどうなんだろう?
点数の設定は議論すべきだが。
最後の最後に少し心和むエピソード。
1981年のボイコットの折、
ボイコットしたチームのドライバーたちは
みんなで遊んでいたそうだ。遊んだという表現よりも一緒に時間を過ごしたというか。
バーに行ったり、ホテルのバーで遊んだり。女の子をひっかけたり。
当時のドライバーは楽器をやる人間も多く、たとえばそういう仲間の間にあって
ジャックのお父さん、ジルはよくラグタイムスタイルの
ピアノを演奏し、他の
ドライバーもあわせるといった時間があったそうだ。
世界一のオタクドライバー、アキバ系ドライバー、ジャックのお父さんは
そりゃ、かっこいいドライバーだったんですよね。
パリでプロポーズする、トムクルーズよりずっとかっこいい。

※トムクルーズのドラキュラかなんかのプロデューサーが
この本を元にヴィルヌーブを映画化し2006年から制作に入るとのこと。
人生、F1だけじゃないからってジャックはいうけれど、
ジルも言葉ではそんなことはいわなかったが
実際には、F1以外にもたくさんの喜びを持ち、回りに与えていたと思う。
家族への配慮も忘れず(外にも
子供もたくさんいたけれど)
グランプリ中は、みんなでモーターホームで過ごしたそうだ。
ちょっと親しみが沸く。
もちろん、スピードへの愛は絶大で・・
ちなみに、ジルの有名な言葉。
「僕の人生は270キロから始まるんだ」
「タイヤのこげるにおいがすきなんだ」
ジルの時代のロマンチズムを
今のドライバーに求めるわけにはいかないのは充分によくわかっている。
ただ
マネージメントサイドはコース上でドライバーが
正々堂々と戦える環境を作ってあげるべきだと主張したい。
最後に、
バーニー様、お願いします。みんなで仲良くF1を盛り上げてください。
あなたが、苦労をしてきた筋金入りのF1男だと認めています。
心より尊敬しています。ですから、さらに
面白いF1をなんとか実現してください。
小さなF1ファンである僕には、
それで充分なんです。