
モナコグランプリは、「人」を選ぶという。
つまり、どれだけ速くてもモナコが選ばない限り「優勝」はできないというもの。
F1ファンでモナコを何回も見ている人なら
なんとなくわかると思う。
選ばれたのはライコネン。
とにかくライコネンはこの1年程の不運を払拭する見事な勝利。
前回、彼について書いたけれど、今の時点で
今期すでに残されたライバルは「自分自身」となった感がある。
そう、今年のチャンピオンシップは「ライコネン中心」と言える。
ライバルはアロンソとミハエルになるだろうが、
激しいマインドレースを勝ち抜く体制がある。
今頃、フィンランドは盛り上がっているでしょうね。
ロン・デニスという人は徹底的に「ウェイティング」な人だそうだ。
とにかく、望むべき状況になるまで、じっと努力を続けて待つタイプ。
その姿勢は、ミカ・ハッキネンの98年に見て取れる。
マクラーレンは
92年からのウィリアムズの攻勢に、チャンピオンシップを奪われ、ホンダが去り、
セナを奪われても、ロン・デニスはじっと待った。
途中、いろんなエンジンやらドライバーが行き来する中で、メルセデスと
ミカが残って98年、すべての苦労が成功に結びつく。
実に6年に及ぶマインドサーカスである。
それに比べれば、ロンデニスにとって、この1年ぐらいの「ウェイティング」
どうってことないのだろう。
経済と同じだ。
悪いときがあればよい時もある。
それを熟知している。
マネージャーとしてすばらしい人だ。
正確にいうと、世界一の雇われマネージャーだ。
彼はドライバーを雇うとき、空港からサーキットまで運転させるそうだ。
丁寧じゃないドライバーは雇わないという。ラルフじゃ受からない。
さて、レース。
凝視すべきはウェーバーの才能に隠れていた
好青年「ハイドフェルド」がまさにすばらしいオーバーテイクをした事。
ウェーバーのほうが速いし、才能もあるだろうが、ウィリアムズという
チームへの思い入れは、ウェーバーより強いと感じる。
もともとモントーヤと
国際F3000を争って、負けてウィリアムズのシートを失った
経験があるハイドフェルド。
今年も、最後の最後まで争った。
その思いはチームに伝わり
チームスタッフとうまくやっているんじゃないかと想像している。
ウィリアムズには「デーモン・ヒル」というロールモデルがある。
チームは味方にすべきものなのだ。
ただ、最後のウェーバーの追い上げは、やはり、ハイドフェルドよりすごかった。
まるでマシンが蛇のように曲がっているように見えた。
ハイドフェルドの予想外のオーバーテイクがさらにきっかけとなり
脇を渋くしめてきたアロンソも、最後は、まさにマインドサーカス状態。
柄にもなく「不良」な走りだった。
ウェーバーに負けたくなかったのだろう。
同じ程のディティール、技量を持つ相手として。
さて、本題。
タイトルにあるドイツ率とブリアトーレ率。
これも、F1を見ている人にはすぐわかるだろう。
ざっと書いてみよう
ミハエル兄弟
ハイドフェルド
ベンツ
ウェストタバコ
BMW
ジーメンス(ラップを刻んでいますね)
ヨーロッパグランプリは実はドイツ(次ですね)
放映権関与「キルヒ」 はドイツのメディアコングロマリット
以上が大まかなドイツ率。
ヨーロッパがベースのF1。ベンツもBMWも充分単体で
F1に参加できるだろうが、ドイツというのはそういうナショナリズムを
表現するのをやはり、意図してやめている感が強い。
(それは第二次世界大戦後の傾向だ。
F1の歴史にもちゃんとヒットラーも絡んでいるし、戦争も絡んでいる。
あくまで、ドイツがナショナリズムを避けているのは当然、戦後の話だ。)
それに対して、ルノーは
今も一生懸命
「ナショナリズム」だ。
ただ、そこにもう一人絡み、ナショナリズムに水を差している人物が一人。
ザッツ・「ブリアトーレ」
(ルノーも、ラテンだというのはちょっと理解。
ブリアトーレの関与人物はやはりラテンが多い)
テーマの二つ目、その、「ブリアトーレ率」を書いてみよう。
ミハエル兄弟(今はないとはいえ、重要な関係だった)
フィジケラ(今年から、和解)
トゥルーリ(去年、けんか別れ)
バトン(おととし、けんか別れ)
アロンソ
ウェーバー(実はレンタル移籍という形で、ブリアトーレが管理)
ブリアトーレはもともとベネトンのアメリカ営業部長、取締役だった。
当時から「ノルマ」を社員に課し、毎年ベネトンの最高益を更新し続けた。
ニューヨークのファッション業界でもその強引な営業で鳴らしたそうだ。
ベネトンのF1本格投資とともにマネージメントをかわれ、監督に就任した。
(ブリアトーレとベネトンファミリーはイタリア時代から親交があった。ここでいう
ベネトンというのは、そうあの安藤忠雄に仕事を依頼したルチアーノベネトンのことだ。)
最初は、よそ者扱いだったが、この10年ですっかりF1の中枢だ。
ロンデニスや、ウィリアムズとは違う形でF1にアプローチし、成功している。
ウェーバーの件もあり、ウィリアムズ等はかなりブリアトーレ寄りの発言も多い。
しかしドライバーとの関係をみるに
離れたり、仲直りしたりと、なかなかのイタリアンマフィアぶりだ。
実際、これだけ、ドライバーを抑えるとなんだかいやーな感じもする。
ルノーが成功しているせいで、ルノーの首脳陣も文句は言えないだろう。
おまけに
ハイディ・クルムというスーパーモデルさんとの間に子供までいる。
(ハイディさんは今年、ブリアトーレと破局後、ある歌手の人と結婚している。)
許せん。
それは冗談として、
一人の影響力がこれほど強いのはどうなんだろうと
思ってしまう。
今回のレースで
ブリアトーレに「うまく抑えろ!」といわれてがんばったフィジケラ。
去年ブリアトーレに邪険に扱われた
トゥルーリに気合一発のオーバーテイクで
見事にヒーローの座を奪われたフィジケラ。
不運だ。フィジケラ。今回も地味になってしまった。
ちなみに、二人は同じローマの幼馴染に近いぐらいの間柄だそうだ。
だからトゥルーリの「抜かざるを得なかった」
という発言につながる。
イタリアの男同士の友情を感じるコメントだった。
ボスは違えど、友情は友情。
今年序盤の活躍の折も、重病でなくなった友人にささげていたし。
ピュアなドライバー、トゥルーリ。
そんなピュアな彼だからこそ
思うに、去年彼からみれば、ひどい扱いを受けた
「ルノー」への思いは並々ならぬものがあるだろう。
その背景には、やはりあの日焼けしたプレーボーイ、ブリアトーレがいる。
今年、ルノーに対して
「ブリアトーレ、ざまあみろ」という走りを期待したい。
昔、ニキ・ラウダもいっていたが、勝つためのモチベーションなんて
「なんだっていい」
わけなんだから。
「シスの復讐」もいいが、
『ピュアな復讐』があったっていいじゃないか。
スウィート・リベンジ。
ああ、やっぱりモナコ行きたかったな。
ルーカスがうらやましい。

